Interview 07ファイナンス部門
数学的アイデアと想像力を駆使して、ビジネスの実態を正確につかむ。
経営数理部 US-GAAPバリュエーション課
Ayako Watanabe
2018年 入社
入社3年目の渡邉は、若手アクチュアリー(保険数理人)としてアフラックの決算における責任準備金*などを算出・分析し、保険会社としての経営の健全性を確保するというミッションに取り組んでいます。事業をとりまく環境が変化する中で、将来にわたって全てのお客様が公平に保険金・給付金を受け取れるよう、専門性を発揮して安心を約束する業務です。
*責任準備金 ・・・ 保険会社が将来の保険金や給付金を支払うために積み立てておく積立金
責任準備金を算出するチームの一員として
私の所属する経営数理部は、数理的な手法や保険ビジネスに関する幅広い知見を活かし、決算数値を算出しています。私の重要なミッションは、責任準備金を正確に算出すること。生命保険会社は、保険契約を結ぶ全てのお客様に対して、将来いつ保険金などの支払いが発生しても確実にお支払いできるよう準備する責任があります。このため決算のたびに適正な責任準備金を算出し、積み立てておくことが法律で定められているのです。アフラックのバランスシートにおいて最も金額の大きな「負債」も責任準備金になります。私は責任準備金の算出チームの一員として、毎月2週間ほどかけて自分の担当する算出・分析業務に取り組んでいます。
グローバルな環境で業務に取り組む
現在、アフラックの決算は日本会計基準のほかに、米国会計基準(US-GAAP)に準拠し、米国の持株会社Aflac Incorporatedにも提出しています。私たちは責任準備金などの数値を算出し、経理部に連携しています。米国会計基準は株主向けの色が濃い会計報告のため、正確性とともに速さが重視されていて、月次での決算連携には集中力が求められます。また、米国会計基準に大きな改定が予定されており、その対応でこの1年余りは米国の持株会社とのコミュニケーションが急増しました。チームでは、ほぼ毎日米国と英文メールでやりとりしています。オンラインのミーティングも定例化し、入社前に想定した以上にグローバルな環境で仕事を進めています。
米国の持株会社と協議して決算数値を作成
決算数値の計算は会計基準に従って行いますが、会計基準の中で計算方法の詳細まで示されているわけではありません。詳細な計算方法は各社で決定することになりますが、決算数値として妥当であり会社の財務状況を適正に反映していなければなりません。どのように計算すればより適正な決算数値を作成できるのか、自らアイデアを出して米国の持株会社に提示し協議を重ね、計算モデルを構築します。責任準備金の場合も、約1,500万人以上のお客様一人ひとりのご契約や解約などの動きをある程度グループ化しながら、その時々で必要な情報に基づいて適正な責任準備金が算出できるモデルを構築します。
トラブルは自分が成長するチャンス
仕事柄当然のことですが、正確な数値を出すことにこだわっています。それでも自分の算出した数値に対して、チェック担当から「この条件も加味して計算すべきだったのでは?」などの指摘が入ることがあります。そのようなときは二度と同じ間違いをしないよう対策を立て、チーム全体へ対応策を共有しています。また、ミスやトラブルの発生は、実は成長のチャンスです。今まで自分では分かったつもりでいても、実は理解が浅かったことなどに気づかされるからです。時間がない状況でのトラブル対応は大変ですが、「これは自分が成長する機会だ」とポジティブに捉えることで乗り切り、自分の中で応用が利く知識にすることを心掛けています。
数学的思考と想像力を駆使する面白さ
私たちが算出した決算数値はプレスリリースされ、アフラックの幅広いステークホルダー(お客様、ビジネスパートナー、社員、株主、社会など)に対して影響を与えます。責任準備金など扱う金額の大きさに圧倒されることもありますが、その分責任を感じ、やりがいも大きい。また、アクチュアリーの使命は正しい数値の算出だけではなく、分析も重要です。数字の向こうにどのような現象が起きているのか、想像力を駆使して保険ビジネスのトレンドやお客様の動向を分析していく。とても難しい作業ですが、数学のように明確な正解が存在するわけではないだけに面白く、奥の深い部分だと感じています。入社前にはもっと数学的に処理していく仕事を想像していましたが、これほどビジネスの実態を考える仕事であったのは、予想外の喜びでした。
渡邉 絢子のある一日
9:00
勤務スタート。米国からのメールをチェック
10:00
決算資料作成。かなり慣れてきた業務だが、油断は禁物。算出条件を再検証する
11:00
米国会計基準について知見の豊富なシステム開発会社とミーティング
12:00
オフィス所在ビルの地下レストラン街でランチと昼休憩
13:00
午後のタスクを改めて整理。米国への返信メール作成。誤解を避けるためなるべくシンプルな英文にすることを心掛けている
13:30
ミーティングの準備
14:00
課のメンバー9名でミーティング。決算数値の算出方法について、若手のアイデアでも有効と認められればすぐに採り入れてくれる雰囲気があって嬉しい
15:00
業務の引き継ぎ。決算数値の算出でこれまで私が担当してきたパートを別のメンバーに任せ、私自身も新しいパートに取り組み、経験の幅を広げたい
16:00
今朝のメールの内容を踏まえて、米国会計基準の改定対応関連の業務を進める
17:00
退社

※所属部署は取材当時のものです